―不可能な共存―

あたし達が移動してきた場所はやっぱり、立ち入り禁止の屋上だった。



ここが一番落ち着く。



「じゃあ、話して」



コウスケは小さく頷いた。



「兄貴が薬をやってるって気づいたのは、俺が中学から高校に上がる頃だったと思う。


その頃はまだ正常に近い状態だったんだ。


俺に対しても優しかったし、ちゃんと仕事もしてた」


「何の仕事してたの?」


「ホスト」


「へぇ。じゃぁお兄さん、かっこいいんだ」



あたしがそう言うと、コウスケの緑色の瞳が輝いた。



「うん。


兄貴はかっこよくて、気が利いて、優しくて、すごくマメで、店でもすごい人気だったらしい。


俺の憧れなんだ」



コウスケは自慢げにお兄さんの話をした。



自分の身内をこれだけ誉められるのはすごいと思う。