その拳を見た少女は怖じ気づくどころか、ニヤリと笑った。



少女のその表情を見た男の方が怖じ気づいたくらいだ。



「さっさと殴れよ。どうせ出来ねぇんだろ?自分の立場が大事だもんなぁ、尾田センセ?」



尾田の額には血管が浮き出ている。



破裂寸前のようだ。



理性を失いかけている尾田は、再び拳を振りかざした。



それでも少女は平然としている。



まるで、殴られるのを待っているかのように。