自分でも驚くくらい情けない声が出た。



顔が赤くなるのを感じて、すごく恥ずかしくなった。



すると、コウスケがあたしの頭に手を置いた。



「そんなに悲しい声出さないで。

兄貴の事がなかったとしても、そのうちやめてたと思うよ。

だって俺、頭もそんなに良くないし、教師たちにもいいように思われてないし、ここにいたって意味がない。

だから、ごめんね」



今の状況、どっちがガキだかわからない。



「他の先生がどう思ってても、あたしにはあなたが必要よ。

あなたが本当はすごく優しいって事も、面倒見がいいって事も知ってる。

だから…」



コウスケはあたしを自分の胸に引き寄せ、がっちりと抱き締めて笑った。