「動いた…」











救急隊員がホッとしたのが背中でわかった。



彼はあたしたちににっこり笑いかけると、そっとその場所をあたしに譲ってくれた。



コウスケの心臓に耳を当ててみる。















トクトク…














動いてる…



ちゃんとコウスケの音が聞こえる。



頬に触れると、コウスケの体温をしっかりと感じた。



少し赤みもさしている。











生きてる…








生きてる…











「よかった…」





隣でユウリがつぶやいた。



今度はあたしがユウリの手をとる番。



『ありがとう』




ユウリはあたしの目を見て、コクリとうなずいた。



ちゃんと伝わったみたいだ。