あたしたちはツバキのその行動を機に、呪縛が解けたように動けるようになった。




「ユウリ!救急車!早く!」


「はい!」



ほとんど片言でユウリに命じると、あたしは急いでコウスケの元へ駆け寄った。




「コウスケ!コウスケ!」






次々と涙が溢れてくる。コウスケの口元に手をかざしてみても、呼吸を感じられない。



心臓に耳を当てても音が少しも聞こえない。






「コウスケ…死なないで…」








泣いている場合ではない。



助けないと。




コウスケのあごを上げ、口から息を吹き込む。



コウスケの胸が上下に動く。









死なないで…









心臓の上で両手を重ね、そのまま何度か押す。









死なないで…









また息を吹き込み、心臓を押す。



その行為を何度も繰り返した。















死なないで…