そのファイルの中にはアラタの名前もあった。



あたしだけならまだいいが、アラタや他の仲間の名前もあるのは厄介だ。



もしこれがばらまかれたら、アラタまで巻き込む事になってしまう。



でもこれでわかった。



あたしに嫌がらせをしているのはマキだけではないのだ。



マキならアラタの名前は出さないんじゃないかと思うから。



犯人はもう1人いる。



いろいろ考えた結果、動物の死体とピアノの色付けと弦切りはマキの仕業、盗撮と自宅の鍵穴破壊とピアノ破壊はもう1人の仕業という事になった。



携帯電話を使えないというマキの言葉を信じる事にしたからだ。



携帯電話を使えないマキがハッキングしたり、サイトを作ったり出来るはずがない。



だとすると…



再びユウリの顔が頭に浮かんできた。



最近の若者ならパソコンくらい使えるだろうという勝手な思い込みのせいだ。