生暖かい何かが少女の唇に触れた。



目を開けると、すぐ近くに少年の顔があった。






ここは学校だった。







8月の真夜中の学校の屋上。



もちろん誰もいない。



「外だから…」



少女が言う。



「誰もいねぇよ」



少年が少女の言葉を打ち消す。



まだ了承を得ていないにも関わらず、少年の手はスルスルと少女のTシャツの中に入っていく。



それでも少女は空を見上げていた。