少女はその袋を一向に開けようとしない。



それを見かねて少年が言う。



「お前は初めてだから、こうやってジュースに混ぜて飲めばいいんだよ」



少年は、少女が持っていた甘めのオレンジジュースを奪い取り、粉をサラサラと流し込んだ。


粉がジュースの底に沈んでいく様は、まるで夕焼けの海に雪が降り積もっているかのようだった。



その美しい光景を見ていた少女の顔はうっとりとしていた。



少年が、ジュースをゆっくりと少女に差し出す。



少女はそれを受け取り、ゆっくりと自分の口へと持っていった……