あたしは、すぐにある人に電話をかけた。



時間的に出ないかとも思ったが、相手は意外にも早く出てくれた。



「おたくのパソコンのセキュリティーは一体どうなってんの?!


個人情報守る気ないんじゃないの?!


ハッキングされたら一番マズいパソコンでしょうが!


しっかりしろよ、ポリ公!!!」



相手には何も言わさずに、一方的に文句を言って切ってやった。



電話の相手は警視総監である我が父である。



折り返し父から電話がかかってきたが、ことごとく無視した。



今頃、キョウカに泣きついているに違いない。



あたしのパソコンに届いた文書ファイルの中身は、あたしやあたしの昔の仲間の過去の補導歴や前科をまとめたものだった。



警察のパソコンから個々のデータを拝借して、それを編集して1つのファイルに仕上げたのだろう。