―不可能な共存―

「言い訳に聞こえると思うんですけど…


ウサギは病気で死んだんです…


私がたまたま一番最初に見つけて…


カラスも…


あまりにもゴミを散らかすんで近所のおじさんが殺しちゃって…


それで…」



マキは必死だった。



でもウソをついている人間の目ではない。



警察官と極道の娘なので、その辺には自信がある。



「そうですか。それにしても、あのピアノはやりすぎです」



あたしは苦笑を交える事が出来るくらいに、油断していた。



「やりすぎ…ですよね」


「ホントに。あんなの、もうピアノじゃなくてただの木材じゃないですか」



マキは少し表情を曇らせた。



「木材…?」



なんとなく話がかみ合っていないような気がする。



「あたしにはそう見えましたよ。鍵盤は飛び散ってたし、脚も何本か折れてました」



あたしが見た光景とマキの記憶には違いがあるようで、マキは驚いた表情を浮かべた。



「私…そんな事までしてません。私がやったのは、鍵盤を赤く塗ったのと弦を切った事だけです」