―不可能な共存―

あたしたちの表情を見た教頭は驚いていた。



そんなに暗い顔をしていただろうか。



「2人共、一体どうしたんですか?!」



教頭はしどろもどろになりながら言った。



まだ何も知らないのに、あたしたちよりもあたふたしている教頭に少し怒りを感じる。



何であんたが焦ってんだよ。



「音楽室のグランドピアノが激しく壊されました」



あたしは低い声で言った。



「え?」



教頭がバカみたいな声で聞き返してきた。



もう一度同じ事を言うのが億劫だったので、アラタの顔を見つめた。



あんたが代わりに言ってよ。



「ピアノが誰かに壊されたんです。とにかく、音楽室に行ってみてください」



アラタは、あたしと違って感情が表情に出ないタイプらしい。