「おはようございます」



朝倉マキが今日も素敵な笑顔で声をかけてくれた。



「あ、おはようございます」



あたしも気持ちよくあいさつを返す事が出来る。



「あれ?朝倉先生、指どうしたんですか?」



たまたま近くにいた徳沢アラタが割って入ってきた。



マキの右手を見ると、指にバンソウコウが貼ってある。



「あぁ。今朝包丁で切っちゃって」



マキは少し照れながら苦笑した。



こんなに美しいのだから、何事も万能にこなせるものだと勝手に思い込んでいたので、マキの小さな失敗に驚いた。