―不可能な共存―

この子も本当は悪い子ではない。



ただあたしの事が嫌いなだけ。



あたしは、この矢崎ユウリという生徒の事をもっと知りたくなった。



どんな家庭環境で育ったのか、幼い頃はどんな子供だったのか、どんな友達がいるのか、この子は一体何を考えてるのか。



それを知れば今のユウリの事を理解してあげられるし、もしあたしに対するいやがらせが全てこの子のせいだとしても、笑って許してあげる事が出来るかもしれない。



「えっとぉ…」



小さな声で曲名を言ったツバキの声は桃色に染まっていた。



その曲は、テレビなどでもよく聴く流行りのラブバラードだった。



そんなツバキの様子はとてもかわいらしく、しおらしい。



思い入れのある曲なのかもしれない。



「それ、いいじゃん」



ユウリは喜んだ。



協調性のない子だと思っていたが、それもあたしに対してだけなのだろう。



「うん。俺もそれでいい」



ヤマトもハルも申し分はなさそうだったので、どうやらこの曲に決定のようだ。