この方法には、もう一つしなければいけない事がある。



殴ってばかりいては、ジャンキーが本当に死んでしまう。



だから…



大きな愛がないといけない。



この人を助けたいという強い想いと、助かりたいという強い想いがあってやっと成功する。



時には一緒に泣き、抱き締めてやらなければならい。



だから、今回の監視役をコウスケにやってもらうことにしたんだ。



あたしには、コイツに対して強い想いなんてないから。



なんであんたが…



「カヅキー!!俺はぜってぇこっから抜け出してやるからなぁー!!!」



兄は気がふれたように叫びだした。



なんであんたが…



「うぉわぁぁぁ!!!」



兄の叫び声が、響き渡る。



どれだけ叫んでも誰の耳にも届かないのに。



「なんであんたがコウスケの兄貴なんだよ…」



コウスケ兄─




源氏名、トウキ。




本名、狭間テツ。