「俺はアラタみたいに薬から手を引きたいなんて思ってねぇんだ!!むしろ共存しようとしてるんだぞ!!邪魔すんじゃねぇぇ!!!」



薬が切れかかっているのか、兄は半狂乱になりながら言った。



「目ぇ覚ませ。薬と共存なんてありえない」



コウスケは、自分の兄を冷たい目で見下ろしながら低い声で言った。



心を鬼にすると決め込んだようだ。



あたしが編み出した地獄の治療法─



ジャンキーを監禁し、一切薬を与えない。



禁断症状を引き起こした場合は、ジャンキーを殴り倒し、気絶させる。



ただその繰り返し。



食事や排泄などは、監視役が面倒を見なければならない。



アラタの時の監視役はもちろんあたし。



そして今回はコウスケ。



コウスケにはしばらくの間休学してもらうように手続きも済ませてある。



準備は整った。



こんな事をまたやるなんて、夢にも思ってなかった…