―不可能な共存―

「おい」



突然、コウスケがあたしの肩をつかんだ。



ものすごい剣幕であたしを見下ろしている。



「何?」


「ちょっと来い」



コウスケはあたしを音楽室から引っ張り出した。



この校舎には一階に職員室と宿直室があるだけで、音楽室がある階には空き教室とトイレしかない。



つまりまぁ、今この廊下にはあたしとコウスケしないない。



「何なの?」



少し怒り気味に言うと、コウスケはさらに怒り気味の口調で返してきた。



「何かあっただろ?」



う〜わ。



バレてるし。



あんた、ホントするどいねぇ。



「別に何でもないけど」



とりあえず、ごまかしてみようと努力はしてみる。



「俺がそんなんでごまかされるわけねぇだろ」



無理だろうなとは思ってたけど、やっぱりね。



っていうか、あたし何で怒られてるわけ?!



意味わかんないんだけど。



「あたしは、あんたに何でも話さないといけないの?」


「何でも話してほしいんだよ」



コウスケはじっとあたしの顔を見ている。



絶対に目をそらさない気だ。



あんたの目、ずるいよ。



全部話してしまいたくなるんだもんな。