―不可能な共存―

店の中は薄暗く、少し肌寒い感じだった。



「お前、寒くない?」


「大丈夫」



普通の客と同じように自然に振る舞うのは意外に難しい。



2人はとりあえずカウンターに腰を落ち着ける事にした。



「何にする?」



南條が少女に聞く。



「カシスソーダ」


「そうか。じゃぁ、俺は何にしよっかな」


「そうかって…いいの?」



南條は少女の方を向き、片方の眉をつりあげた。



「どうせいつも飲んでるんだろ?」


「まぁ」


「それに、こんな所でジュースなんて飲んだりしたら不自然だ」



南條は少女のカシスソーダと自分のレッドアイを注文すると、辺りをキョロキョロと見回し始めた。