「お母さん…」


懐かしい顔に思わず安心してしまう


久しぶりだ


「何突っ立ってんのよ…、暇なら手伝いなさい!」


………………


「はい」


余韻に浸らせてはくれず、お母さんを手伝ってお弁当を作る


「環、おはよう…」


はげた小さいお父さんがジャージで現れて、なんだかまたほっとした


「草刈り?」


「うん、伸びてきたからね…」


「お疲れ」


珍しくそんな事を言ったから、お父さんとお母さんは顔を見合わせた





行き慣れたはずの道を一人で歩く


いつもなら海里がいるのに…


一人になんて、なんだか慣れなくて不思議な感じ


「たーまき!おっはよー」


陽気な声で肩を叩かれ、振り向いた


ああ、見慣れた親友…


「かい…り…、」


「ん?どした?」


「あ、ううん、おはよう!」


「ねえ、宿題やってきた?」


「え?何の?」







1ヶ月のブランクは大きくて、まるで浦島太郎になった気分だった


親友なのに、辛くてその名前が呼べない…


彼の顔を思い出す