クローバークロニクル

私が回りを見回すと、みんな私から目を反らした


「だって、海里が悪い訳じゃないじゃない!」


「わかってるよ…、でもコノザマだ」


私はふと海里と仲の良かった人を見かけて近づいた


「どうして?どうして見てるだけなんですか?励ましたり、元気付けたり、どうしてしないんですか?」


「…………」


「海里は何も悪くないんですよ?普通にしてて病気になったんですよ?」


それでも目を反らし続けた


「ねえ!?ねえ!!!」


「わかってるよ!!わかってるけど…」


わかってる?何をわかってるの?


「俺らだって死にたくないんだよ!伝染されたくないんだよ!!」


カーッと頭に血が昇るのが解った


「…最低!!」


両手で襟を掴んで強く揺すった


「伝染らないって言われてるじゃない!それでも自分の事だけ?自分一人が生き残れば、回りはいいの!?アンタの友情って、そんなモン?お飾りなの!?
何とか言いなさいよ!!」


「環!!」


海里の悲鳴に、思わず手を止めた


「…いいから、ほっとけ。」


「海里」