クローバークロニクル

クローバーが人を狂わせていて、みんながどんどん病んでいく


思わず自分の背中を触った


もし私がクローバーになったら


もう帰れないんだろう…


「環…、最近お母さんのお手伝いよくしてるんだって?」


「え?いや、当たり前な事くらいしかしてないよ」


「これ、ちょっとだけど…たくさん遊んでおいで」


お父さんは私に3千円をくれて、きれいになったワイシャツを着て出ていった


「いいのかな…」


「いいのよ。お母さん、最近助かってるし…お父さん、元気なうちにいっぱい遊んでもらいたいんだわ…」


「…………ありがと」


子供がいなくなる


そんな辛い思いを、世界中のたくさんの人が経験していて…


もうそこまでやって来てる


お母さんはアイロン台を片付けると、洗濯物を外に干しに行った


私はソファに腰かけて、今日も増加し続けるクローバー被害のニュースを見始めた









また甲高い音がして、ポケットから携帯を出すとメールが届いていた


「海里?」