クローバークロニクル

ある土曜日


甲高い音に起こされて、携帯を開いてボタンを押した


「…海里、部屋戻んないと…」


「…ん…うん、サンキュー…」


ボサボサ頭でのっそりとベットから起き上がる


海里の瞳は1ミリくらいしか開いてなかった


トロトロとTシャツを着て、ゆっくりと立ち上がるとパンツのまま窓へ歩き出した


「海里!…ジャージ!」


小声で叫んで追いかけると、パッとしない表情ながらニヤリと笑って「サンキュ〜」なんて言いながら手を伸ばす


よたよたしながらジャージをはいて、またそのまま自分の部屋に帰っていった



ふと自分を見ると、自分もまたキャミソールとパンツ姿で、慌てて短パンをはく


結局あれから、海里のペースだ


うーっと伸びをして、昨日の分の日記を書いて下へ降りた




「環、早いな〜」


「おはよう、お父さん」


ワイシャツのアイロン待ちをしているお父さんに挨拶をして、冷蔵庫の牛乳を取り出す


「今日も仕事なの?」


「…うん、まったく結果が出せなくてね」


「…まだ、出来ないんだ、薬」