クローバークロニクル

「ほら」


海里はまた私に缶のジュースをくれる


「ありがと」


「悪いな…、サボらせて」


「別にいいよ…、海里がいなかったら、私、ずっと前から学校行ってなかったかもしれないし」


「…何で?」


「だって…なんにも知らない世界でどうやって生きていくんだか」


「じゃあ、俺に感謝だな」


その時、ずっと感じていた疑問を海里に聞いてみた


「海里って、私の話、信じてるの?」


「は?何の話?」


「私が違う世界から来たって…」


「当たり前だろ?別人なんだから…」


「え…?」


し、信じてた…


海里は解ってたんだ


ちょっと嬉しいかも!!


「確かに最初はおかしいなって思っただけだけど、お前の話を聞いたときに納得出来た
もし、同じ人間が違う環境で育てば…って。お前は環だけど、環じゃない」


「解ってたんだ…」


嬉しいな〜


「なあ、環…」


「何?」


「頼みがあるんだ…」


「何?」


「お前が帰るまで、または俺が死ぬまで、俺の彼女になってくれない…?」