「え?」


「何だ?お父さんの顔に何か付いてるか?」


「え?」


お父さん?この人、私のお父さん???


あれ?ハゲで白髪の小さい人は??


なんかスマートなんだけど…


「ごめん、今日は早く行かなきゃ行けないんだ」


そう言って私の横を通りすぎようとしたから、慌てて壁まで避けた


何?どうなってるの??私、おかしくなったの??


「じゃあ、環、行ってきます」


お父さん?は笑顔で玄関を出ていった


「いって…らっしゃい…」


私は呆然としながら立ち尽くしていた



ふと下駄箱の上に写真立てがあったのに気付き、手に取るとそこには笑顔の私がいた


え?


家族写真だ


さっきのお父さん、お母さん、私…


間違いなく、私…


そして、弟?


「姉ちゃん!」


ビクッとして後ろを振り向いた


階段の所には、弟?が立っている


「な、何?」


「姉ちゃんこそ何やってるんだよ。遅刻するだろ?また海里待たせると怒られるぜ」


え!?海里?


「海里がいるの?どこに?」