クローバークロニクル

「具合、悪いの?」


「いや…」


「元気なんでしょ?」


クローバーはどんどん弱っていく病気ではない


風邪を引きやすくなったりするらしいけど…


基本的に突然死だった


背中に4枚葉っぱが揃えば…




「何で来たんだよ…」


「…海里…」


「同情か?それとも見物かよ?」


「ただ…心配…」


ガバッと布団から飛び起きた海里が、私の腕を強く掴んだ


「可哀想だから!?死ぬから?みんな同情だよ!俺を腫れ物扱いだよ!」


海里の手がミシミシと私の骨を圧迫して、思わず顔を歪めてしまう


「何が心配だよ!自分はクローバーじゃないからって、上から見下ろしやがって」


海里は力任せに私の事をベットに引っ張り上げて、今度は両腕を顔の横で押さえつけた


「お前なんか、めちゃくちゃになればいい…
どうせ俺がお前に何かしたって、裁判の前に死ぬんだ…」


海里の切羽詰まった顔が、クローバーへの恐怖なんだって伝わってきた


じゃなきゃ海里はこんなことしないもの!