クローバークロニクル




『さようなら』って言った海里


でも海里はまだ生きていて…


身体だってまだ健康なのに…



朝のニュースで、ついに日本での発病者数が二百万人を越えてしまったと伝えている


この中に海里も含まれる



続いて発病者数に比例して、自殺する人数までも去年の一年間の中高年の人数を軽く越してしまったと…


若者が世界から姿を消す


いなくなってしまう


そんな世界に、私は来たんだ…と実感していた




…海里、自殺なんかしないよね…?


テレビを見ていると、どんどん不安が襲ってくる


小さな不安がジワジワと私の中に広がり始めて…


私は急いで制服を着て、隣の家に向かう




ピンポーン…


「はい?」


中からはすごく綺麗な女の人が出てきて、一瞬息をのんでしまった


「あぁ…環ちゃん…」


海里達のお母さん…


私は初めて見たけど、それでも明らかに憔悴してるのがわかった


「海里のお見舞いに来てくれたの?」


「海里が心配で…」


「…ありがとう」


お母さんは中に入れてくれて、「部屋にいるから」って伝えてくれた