『世界各国で発病例があがっている、新型の奇病ですが、遂に日本人初の発病者が○○県で出ました』


「…奇病?」


巧と顔を合わせる


『現在WHO(世界保健機構)が調査していますが…』







「クローバーって呼ばれているんだ…」


お父さんがポツリと呟く


「クローバー…?」


「肩か背中に、クローバーの葉っぱの様な赤いアザが現れる
それが発病の…合図だ」


「クローバー?聞いたことがない!」


「2ヶ月前、アメリカを皮切りにインド、ヨーロッパ、中国で一斉に死者が出始めたんだ。
原因不明…特効薬もまだ無い」


「…どんな病気なの?」


私と巧は恐る恐る顔を見合わせながら、お父さんの傍に寄った


「今のところ、かかったら必ず死ぬ…」


思わず私も巧も息を飲んだ


必ず死ぬ病気?


クローバー??


「申し訳ないが、しばらくは毎朝確認させてくれ。環は母さんにやってもらうから…」


「待って!お父さん達は?もう確認したの?」


お父さんがその質問に、悲しい顔で首を振った


「…何?かかってしまったの?」