私がこの世界に来て数日が過ぎた


元の世界への帰り方も結局よく解らなくて途方に暮れる


海里だって、私の話を信じたのかどうかさっぱり解らないけど、相変わらずだ


でも私にはよんちゃんや、きょうちゃんが強い味方になってくれていて心強い


二人を連れて帰れたらいいのに…と願ってしまうほど、私は二人が大好きだった



「環ー、辞書〜」


必ず毎日一回は私のところに海里が来た


「3年のくせに、辞書持ってないなんてヤバイんじゃないの!?」


「持ってくるの、めんどいじゃん。」


「私は持ってきてるんですけど!」


「俺はだれかさんを乗せてきてるから、お前は俺の分まで持ってこいよ。自転車乗車賃だろ?」


「じゃあ、乗せないで結構!一人で来れますから。明日から辞書、ちゃんと持ってきなさいよ!」


「…ってか、これ、俺がお前にやった辞書なんだけどね」


「え!?」


ロッカーに入れていた英和辞典は、確かに「時舘海里」と書いてあり、思わず顔が紅くなる!


「だっせぇ」


海里が私から辞書を取り上げて、笑いながら去っていった


ムカつく―!!!!