クローバークロニクル

「…どうしたの?何かあったの?」

「環、クローバー…あるよね?見せてくれない?」

「えぇ!?」

「お願い!!」

「…………」

何だかよくわからないけど、必死な顔のきょうちゃんに小さく頷いて、ニットのカーディガンを脱いだ

インナーをめくって後ろを向くと、きょうちゃんは襟からゆっくり中を覗きこむ…


「やっぱり…“幸せの四つ葉のクローバー”…だ」

「え?」

きょうちゃんの発した言葉に一瞬戸惑ってしまう…

何だって??

「幸せの…四つ葉??」

「突然四つ葉になった人を、今若い人の間でそう呼ばれてるんだ…」

「…え?それって、おかしいよ…
だって、きょうちゃんも四つ葉でしょ?四つ葉になったんじゃないの?」


あの方法で四つ葉になったって、メールで教えてくれたじゃない?

人工的に四つ葉になったんじゃないの?

幸せの四つ葉とやらに…

でもきょうちゃんの表情は固くて

悲しそうに、私に向かって苦笑いをした



「罰が…当たったみたい」