クローバークロニクル

「海里!!」

そんな悲しい事を言わないでよ…

そう言いたいのに、涙で言葉が出てこない

でも、泣いちゃいけない!

海里がどんな時でも笑っているように、私も泣かないって決めたんだ!!

涙を堪えて目をつぶって、ぐっと唇を噛み締める


「海里…」

「ん?」

「私、再婚はしないよ」

「え?」

「一生、時舘環でいるから。この子を立派に育てていく。大事なものは、海里とこの子以外に作らない…」

「……………」

海里の真剣な目が、私を強く強く捕まえる

本当だよ。嵐山君に似た人が現れても、私はもう知ってしまったから

海里がぎゅっと私を抱き締めてきた

「環…」

「海里…」

だから死なないで…

私を幸せにしてよ。誕生日に入籍するんだから

そうしたら、この子に会えるよ…

ね?そうやって、どんどん楽しみを増やしていこう?

海里…








風が冷たくなり、落ち葉が地面を敷き詰める頃…


またクローバーが、私達を苦しめる事件が起きる


「環?元気?突然だけど…相談があるの…」


それは、一本のメールだった…