Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜




カバンと、本を買った
そして


――― 見て行こうって

二人で声、掛け合ったわけでもなく


なんか、トイレに急ぐみたいな
ちょっと違うか




…こう、ワクワクしながら


自然に足は、本のフロアと続いてる
CDコーナーの方に 歩いて行ってた




「―――うわぁ〜
… あれ…欲しい…」




ユリちゃんの声に振り向くと
万引き防止の機械を越えて


レジの前の
特設コーナーっぼいとこに
最近でたアルバムが並んでて


その向こうの壁に
同じでっかいポスターが
壁一面に貼られてた ―――




そこから目を移すと
いつの間にか、ユリちゃんが
かなり焦った感じで
レジの人に声かけてる


そしてすぐに、巻き髪を軽く揺らして
私の方に走って来た




手にはCDと 巻かれたポスター


「うお…ユリちゃん!!
このアルバムこないだ
出た瞬間に買ってなかったっけ?!」


「ポスター!!!
それにはついてなかったの!
こことか新宿店とかの
限定なんだって!
も〜!今日ここ来てよかった〜!」




なんか、怒ってるのと
喜んでるのの間みたいな顔


だってユリちゃんは
このポスターの人が大好きなんだ


私たちがバンドを組んだのもこの人




歌姫『Azurite』


彼女を知ったのがキッカケ