手を繋ぎながら、大きな公園


鳩もいっぱい
人もいっぱい


おでんの屋台、八重桜はピンク


蓮の葉っぱが一面に浮かんだ
緑色した、池の横を通った




「――― ”かみつき注意”?
この看板なに?チカンじゃなくて?」


「… ここ、誰かが逃がした
カミツキガメがいるらしい」


「えっ!!カミツキガメって
茶色くて、口尖ってて
ガブッて噛み付く奴?!」


「… だからカミツキガメだって」


「うわっ!!
池にカメいっぱいいる!
蓮と混じってわからなかった!!」


「… あれお祭りの
夜店にいる亀と同じだよ」


「えっっ?!
ミドリガメじゃないよあれ!」


「… ミシシッピーアカミミガメ
体長三十センチ位になる」


「また嘘じゃなくて?!」


「… これはホント」




『彼』が、笑った…




「――― ね…ねえねえ!あれ何?」




春色 空の下


池を渡す橋の向こうに
お堂みたいな、何か建物がある




「… 橋は渡らない こっち」