「… 有名な人なの?」
「まだまだ無名?」
「… そうなんだ」
その映画が終わったあと
小さく拍手があがったり
”やっぱりいいね”っていう
誰かの声も聞こえたから
これ以外にも、きっと
なにか、作品があるんだと思う
「なんでだろ…」
「ん?」
「… え、あ…
なんか、映画のコトとか
私、よくわかんないけど
お話よかったし、キレイだったし…
それにこんな夜じゃなくて、もっと
大きな映画館でやればいいのに…」
「今ウケねえもん、あんなの」
「―――…」
「だから観客 ―――
大人しかいないだろ」
「―――…」
それからすぐに
ヴォーカルは立ち上がって
「あ。まだ見る?」
私も、首を横にふって
席から立ち上がった


