「――― そんな驚いた顔すんなよ

公衆の面前で
キスかましてたの
おまえらだぜ?」


「――…… なっ!!… いつっ?!」




「夏フェス

テントの中でしてたじゃん
あれ灰谷だろ?
誰も気がついてなかったみたいだけど」


「―――…そ」




「絡みあるなら
直接聞きゃいいのに ―――

なのに”Chea-Ruu”の件
何も知らなかったってことは
おまえらあの後別れたんだ?」




「―――…っ」


「あ、待てよ!」




トレーのゴミ
ダストボックスに捨てようとして
ジュースの入れ物が
戸口に引っ掛かって ―――


すぐにそこから逃げようと思ったのに
腕 ヴォーカルにつかまれた




「… にらむなよ
なあ?おまえヒマなんだろ?」


「―――……」


「ちょっとさ、口止め代わりに
二時間くらいなんで付き合ってよ

こういうの独りで見るのは
実はかなり淋しいんで」