Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜





――――― 雨




車の中、音楽と
カチカチ 何かの音




その渋滞は、かなり長い間続いて




「なんか〜…人は集まったけど
ステージの設営、ムリっぽい〜」


「―――… え…?!」


「マジで?」


「向こうも、すっごい雨降ってて〜」


「うん」


「人は集まったけど
誰も設営とかした事ないって」


「―――… あ!」




「それで一応いろんなとこ
無料でやってくれるとこないか
電話したりはしたみたいなんだけど…


まず断られるっていうのと
会社自体、ほとんどのとこ終わってるし
大学も〜閉まる時間になったし…」


「あ〜…
夜と雨は、イタイかもねえ…」




ユリちゃんが向井さんと連絡取り合って
結局うちらは、家に戻ることになった


それで…





「――― んじゃ
ちょっと”ガリ”のほう
様子見に行こうか!!
向井ちゃんに差し入れあるし!」




あ…


そっか…
いま、女王と話してたんだっけ…




「桑島さ〜ん!
ホントに私たちも
本番見に行っていいの〜?」


「うん!もちろん!
今回最大の功労者だもん!
ね!葉山さん!」


「え…
っていうか、それは…!!」




――――『Azurite』が…



「でも〜…向井さん
辛いだろうね〜…
結局ステージ、ナシだし…」


「――― まあ、しかたないよ
私も、いい勉強になった」


「―――…」






空、明け方とは
打って変わったみたいに晴れてる


体育館出て 構内は
昨日と変わらない にぎやかな空気


模擬店から 甘い いいにおいがする


そして、音 ――――




「え… 音?!」


「え?」


「ほら…!
ステージのほう…!」




カンカン
何かを叩いてるみたいな音




桑島さんが走って
私たちも、走った ――――