スポットライトのあたるステージから
その真ん中へずっと 延びた道を


自分で作った衣装を着た人たちが
ポーズをとりながら歩いてく




歓声 ―――




妖精をイメージしたっていう
チュニック着たモデルさんたちが
いっせいにステージへ歩いて来た時
隣の席から、小さい子の声が聞こえた




「うわぁ…
ねえねえマイちゃ〜ん!
あれカワイイね〜…!」


「ここ入るとぉ…
ああいうの、あたしたちでも
作れるようになるのかなぁ?!」



「…いいね〜!」


「うん…!!」






そして、ショーの最後
観客席から、一番歓声があがったのは…




真っ白なマリアベールの
ウェディングドレスの時だった…













「――― 葉山さん!澤村さん!」


「おつかれさま〜!!」


「キレイだったよ〜〜!!」




体育館横
衣装と熱気でごった返してる
モデルさんたちの控室




「や〜〜…長かった…
でもやっちゃうと、あっという間〜」


「あはは!」




周りで着替えてる人たちも
それを聞いて、うんうんって笑ってる




「それよりさ…」


「んっ?!」


「『Azurite』って
あの後どうした…?」


「あ…!!」




「給食食べて、すぐ帰ったよ〜」


「え…そうなんだ?!」


「うん〜
”特売の時間だし
夕飯のしたくあるから”〜って

皆大変だったし〜
遠慮したのもあるんだろうけど」


「う〜ん…特売…
なんかとことん、イメージと違うね
あの人」


「あははっ」


「”夕飯のしたく”って
彼氏でもいんの?彼女
色々と、ウワサとかあるけどさ」


「そりゃ〜いるんじゃな〜い?
”普通の女の子”なんだし〜」




「… まあ、そりゃそっか!」


「うんうん!」




… そうなんだ ――――