Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜







『…… どうしたのかしら』




落ち着き無く
部屋を歩き回る姫
時折バルコニーの外を
心配そうに振り返る




『魔法使いが来なくなって
今夜でもう、ひと月になる…
こんなに長い事来ないなんて初めて…


――― もしかしたら
ドラゴンに食べられちゃったのかしら!


…ううん…!そんな事はないわ!
ホウキの腕前は一流だって
いつも自慢してたもの…!!』




”ガタン”と
バルコニーから音


驚いて振り返る姫
そこには、体を押さえて崩ず折れる
満身創痍の 魔法使いの姿



『―――… 魔法使い…!!』




『ちーっス…シンデレラ』


『ひどいケガ…!!
どうしたの?!誰にやられたの?!』




『姫様!!姫様はおられるか!!』




『… 隠れていて
――― 何事です!!』




『奇しの陰が、城に侵入しました!
城の兵すべてをあげて
ただ今、追跡中でございます!
姫様は、無事でおられるか!』




『…… 何事もないわ!
わたくしは休むところです
お下がりなさい!!』


『――― はっ!!』




甲冑と剣の擦りあいと
たくさんの兵が走り去って行く音




『魔法使い…!もう大丈夫よ!
傷薬があるわ!見せて頂…


―――…… 魔法 使い?』




ピンスポットのあたるバルコニーに
一輪の、白い花