「うわ、やっぱ当日チケット0かあ!」
「当日売り切ったのって
シノだけだしね」
「マキとかヒカルもでしょ?」
「私達二人は
ほぼ交換だからプラマイゼロ
今日も夜から見に行くし
だから昼間、練習にしたんだよ」
「あ〜そっかぁ」
「初だし、しょうがないよぉ
だってあたし高校ん時
カラオケでバイトしてたんだけどぉ」
「うんうん」
「チラシとか千枚配って
お客さんそれ見て来るの
一人とか二人だったもん」
「マジで?!」
「アンケは?」
「うちらの身内ばっかり」
「あははは!」
「でも一人だけ
ビッチリ書いてくれてる人がいる」
「えッ?!誰だれ?!」
「”どのアーティストを見に来ましたか”
で、”October World”のお客さん」
「ほうほう」
「え〜…なんか見るのこわ〜い…」
「”批判”じゃなくて
”批評”だから、大丈夫だよ
いいとこもほめてくれてる」
「え〜?珍しいね」
シノがメガネを上げて
マキちゃんの手元をのぞき込んだ
「音楽聞くの
好きな人なんだと思う
いろんな曲の名前とか出して
書いてくれてるよ
で、これは後で皆に
コピーして配るから
まず、次回の曲の構成考えよう」
「また新曲入れる?」
「でも知らない曲ばっかだとぉ
一緒に歌えなくなぁい?
今回、一回しか歌ってなし…」
「あ〜そっかぁ」
「三曲目、評判よかったよね〜」
「でも、前にいた人ぉ
これで下がったんだよねぇ」
「あ!ヒカル気がついてたんだ」
「あったり前でしょ!
あたしフロントだよ?!
だからMC飛ばしたんだもん…」
「え〜!後ろで見てて
何でかと思ってた〜」
「でもぉ
次はガールズだしぃ」
「じゃあ…
”Angel”とか”アイノウタ”とか」
「うん!
女の子が喜んでくれそうなの
たくさん入れよう!」
「そうしよう!!」


