花火大会の河原は
すごい人だった




「――― おお…!!」


近くの橋の辺りで
白くて綺麗な、ナイアガラの滝




「村田!井上!
葉山もこっち!」


武藤が座る場所見つけてくれて
シート持って来てたから
皆で、そこに座った




「カンパーイ!」


「かんぱ〜い!!」


「たこ焼きくれ」


「ぁ〜!取ったぁあ!!」


「お前も俺の焼きそば食ったろ?!」


「さっきから食べてばっかり〜
花火ぜんぜん見てなぃし〜」


「見てるって」


「じゃぁ、さっきの何発?!」


「数えてるかそんなの!!」


「ぃゃぁぁああ!!ぃたぃぃ〜〜!!」




川風と人の声で
放送よく聞こえないけど


女の人の声のアナウンス
打ち上がる、花火の名前っぽいの
毎回いってる




「ちょっと俺、ビール買って来るわ」


「ぁ!武藤さん!
ぁたしも飲み物欲しぃ〜!」


「何がいい?」


「ウーロン!」


「村田と葉山は?」


「まだあるよ!」


「俺もまだあるし大丈夫
あ、武藤帰って来たらトイレ行くけど」


「え、行ってきなよ」


「でもそしたら二人んなるじゃん」


「早く行ってきな〜
人ぃっぱぃぃるし、平気だから〜」


「… そうだな
んじゃちょっと行って来るわ」




走ってく二人


まわりは家族連れ
おにぎり食べてる




「ぁぃっ〜ビール飲み過ぎ〜」


「あははは!」


「葉山さぁん
蚊に刺されたら、ぃって下さいね
クスリ持って来たんで〜」


「ん!虫よけあるよ!使う?!」


「ぁ〜!貸して下さ〜ぃ」




笑い声とざわざわ
花火は少し、小休止っぽい




「…葉山さぁん」


「うん!」


「ぁたしのこと
軽いなぁとか、思ってます…?」




井上さんが
虫よけスプレー使いながら
突然、私に聞いた