「こっちも、人すご〜い!!」
「――― 大きい ビルばっかぁ…」
人で埋まってる、広い道路
ずっと続いてる街路樹
その谷間には、噴水公園
この先にある会場まで
長い長い、行列が続いてて
たった今、最後尾だったはずの
うちらの後ろにも
また長くて、新しい列が
どんどんどんどん伸びて行く ―――
「ユカ…
ひょっとしてあたしたち
向こうの列 並ぶんじゃない?」
「――― え」
ヒカルの声で、そっちを見ると
係員の人が持ってる看板に
”アリーナ席”って書いてあって
列、離れた
「ユカ、なんでそんな顔してるの?」
「え…あ」
――― なんとなく、罪悪感みたいな
チケット、もらっただけだし…
「普段ガマンしてるんだから
これくらい、彼女としての役得だよ」
「マキちゃん…」
あちこちから案内の声がしてて
スタッフらしき人たちの姿も
去年とは、比べ物にならない
道の脇には、色々な出店があるんだけど
パンフ売り場がめちゃめちゃ混んでる
――― 入場ゲートに着いた
「ユカ、チケット」
「う、うん!!」
カバンの中から、チケットを捜す
… ってやっぱり
―――… カバン、傷ついた事
自分が思ってたより、ショックみたい…
これは…地面置いたり絶対しなかったし
かなり大切にしてたのにな…
どこでやったんだろう…
「タイムテーブルをどうぞ
こちらは外してしまうと
入場不可ですので」
「―――え は、はい!」
チケットと交換で渡されたのは
今日の出演者と時間が書いてある
三つ折りの時間表と
”Global Record Presents
SUMMER-ROCK-FESTIVAL夏の陣”
青地に白文字の、リストバンドだ


