混み混みの駅前
スピーカーで 誘導する声
振りかえったら
レースクイーンみたいな服の
女の人が立ってた
「”Chea”いいよね〜?!
あっ!もしかしてこれから
夏フェス行くとか?!」
「あ…はい」
腕には小さな、手さげバッグと
手にはボールペンと、クリアファイル
「あたしも行くんだ〜!
今年は彼女、来ないみたいだから〜
やっとあたしの出番来た!っていうか
いっつもカレ、あたしの事見てるし
呼んでるみたいだから 頑張らないと!」
「…… ?」
話 見えない
「ホラホラ!ピックも用意して来たの!
… また邪魔されたらたまんないし
あ!ちょっと試していい?!」
――― ピック?
この人楽器 弾くのかな
なにもそれっぽいの 持ってないけど…
「――― ぅおっ?!!」
『押さないで!!押さないで下さい!
”新都庁完成記念マスコット
東☆キョウコ”の配布は
整理券を配ってから行われます!!
押さないで!』
ドスンってなにか、軽い衝撃があって
駅のほうまで、一気に体が押し返される
「な… なに?!」
「――― ユカ!!居た居た〜っ!!」
「… シノ!!ヒカル!!」
「おっはよ〜!!ユカ!」
「遅い!!」
「ご、ごめん!
なんか 電車遅れたり
とにかく人が〜〜!!」
「タカコ、ジュース買いに行ってる
ユリちゃんはついでにトイレ!」
「あ…私も行ってきとこうかなあ!」
「そこだし行ってきな
会場、すっごい混んでるだろうし」
「うん!…あ!
誰かカバン持ってて〜」
「あたし持つよ〜
――― ってユカ!!!
どうしたのこれ…っ?!」
「え…」
「カバンの真ん中、穴あいてるよ?!」
「――― ええええっ?!」


