Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜






「到着!
… って、ユカ?!」


「あ、ユカ 目にゴミ入ったみたいで〜」


「マキ〜
楽器、降ろすね〜」


「う、うん…」




泣きすぎて、鼻ムズムズして
オッサンみたいな、変なクシャミ出た


それにヒカルが爆笑して
マキちゃんもやっと ホッとした顔




私、なに泣いてんだろ…


――― もしかしなくても

マキちゃんが一番
悔しいのかもしれないのに…






「あれ… 海岸じゃないの?」


「あそこの ―――
ガジュマルの木の下にしよう」




「うわあ… 大きい!!」


「♪このー…」

「ぅわヒカル!!ちょ、著作権!!」

「んが」


「しかも違う木!」




草が生えてるとこと
白い、砂浜との境界


風がふいてて
葉っぱの音と 波の音


「コラボ?」


「コラボ〜〜」


「よいしょっ」


「えっさ!ほいさっ!」


「ゃ〜
おばあちゃんみたい〜」


「あはははは」


「タァコ〜〜〜」


「おじー?!」


「え、おじいちゃん?!」




夕日に照らされながら
ひょっこりひょっこり歩いて来たのは
麦わらかぶった、おじーの姿


帰った時、いなかったから
一応マキちゃん、行き先は書いて来た




「どうしたの?!」


「誰〜が、撮るぬ?」


「え?」


「ビデオカメラさ〜
ね〜ね〜た〜ぬ事ぅ」


「――… あっ!そうだ!」


「あ。」

「あ〜!」

「あああっ!撮るひとっ!!」




そうして私たち全員
ガジュマルの木の下


水色と、オレンジ色の景色
始まりの合図は シノのカウント




なんか皆、笑ってたし
音とか あまり良くない


手ブレ無しのビデオだったけど
少し 揺れてたし


「デ〜ジ ジョ〜ト〜さぁ〜」


”すごくいいよ〜”って意味の
おじーの声も、最後に入ってた


でもなんか、ホントに
”デージ ジョートー”だった