Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜





「ぅあ…っ
相変わらず、バスドラ重っっ!!」


「椅子もなにげに重いという…」


「アンプは下に
タイヤついてるからいいけど〜」




帰宅して、かなりバタバタ
皆、用意



マキちゃんが物置から
発電機を出して来た



「次、キーボード出すね」


「あたしベーアン運ぶよ」




門の前に、軽トラ
マキちゃんとヒカルが荷台に乗って


うちらはアンプとかシンバル
下からどんどん持ち上げる


「弱音吐かな〜い!
もしあたしたちだけで
ツアー回るとしたら
こういうの全部、自分で運ぶんだぞ〜」


「ツアー…
なんだかドキドキする響き…」


「プロモの時も〜
車から運んでた人いたね〜」


「ライヴハウス
駐車場遠い場所とかもあるしね」


「うはぁ…!…うん!」




お風呂入ったけど
これだけでもう、汗でびっしょりだ




「じゃあ、出発!」


「はぁあぁ〜…ぃ」


「ま…待ってぇえぇ…!」




ゼイゼイ言いながら
へろへろ荷台に乗り込んで


ゆっくり 動きだした車
背中とかで、アンプをガッチリ押さえる




「――― 考えてみたらさ」


夕焼けの 空を見上げるシノの声


「うん〜」




「… 私たち、初めて音楽の事で
苦労したのかもしれないね」


「――― あ〜…
… やり始めた時も
マキちゃんのお兄さんに
ドラムとかアンプとかもらったね〜」


「ほぼ兄者が運んでくれてさ
普段は倉庫から音楽室に
ドラム運ぶくらいだし」


「そんな事いったら〜
この合宿だってそうだよ〜」


「… うん
多分、マキ兄者が
ドラムとかアンプ、用意してくれたんだ」


「うん〜…」




「――― え…っ?!
ど、どうゆうこと?!
だって、ピアノとかは
叔父さんが使ってたからあるって…」


「うん
でも、アンプは新品だし
ピアノの脚の下には、跡とかあるんだけど
ドラムの跡は、全然 床にないんだ」


「―――――…」