「お!ユカぁ、終わった〜?」
「けっこー早かったね〜
30分くらい〜?」
首 横に振る
「ジュース… なにか」
「あ!これ氷入り!
さっきコンビニ行って ――― 」
紙コップのお茶
思いきりゴクゴク
ノド鳴らして一気飲み
すぐ ブースに戻った
「タカコもこれ」
「ありがと!
じゃあ、もう一回行くよ ユカ」
「うん」
―――… ズレてた
シノは小学生の時、鼓笛隊やってて
クラブでも、吹奏楽に入ってた
だから、リズム
すごい正確で ―――
それはわかってたけど
録音して聞いたら
私のズレが、ものすごいわかって…
”やったらわかるよ”
ヒカル言ってたの、この事だったんだ…
眠ってた時間
海に行ってた時間 ―――
なんで、私もっと
練習しとかなかったんだろ
暇 いっぱいあったのに…
「… ごめん、マキちゃん
もう、一回」
「了解」
「ユカ、次のでラストにしようか」
「―――… えっ 」
マキちゃんの声に、頭 あげた
「スタジオ、六時までだから」
「… あ 」
――― 時間、見たら
あっという間に 二時間くらいたってた
そう…だよね
まだギターにキーボード
ヴォーカル入れるの残ってるんだ…
でも…
リズム完璧にしようと意識すると
押さえるとこ間違えたり
何回も聞き直してるうちに
どれがあってるか、わかんなくなって…
『うん』って すぐに言えなかった…
「ユカ…
ズレがわかるってすごいんだよ
でも、どこかでキリつけよう」
「………」
青山さん、高校ん時はずっと
ドラムマシーンと一緒にやってたって
それで… 大学入ってから
サークルでバンド組んで
マキちゃんのアニキとか
池上さんとかと出会って…
「ユカ
一番最初に録ったの聞いてみる?」


