Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜






「サンダルあった〜?」


「あったぁ〜!
ちょ…かわいい〜〜!」


「え〜!!泳がないの?!」


「庭から見える ―――
これから行くところは、遊泳禁止だから

泳げるとこは、明日でも行こう」






花の庭


大きなおはじきみたいな
ガラスのついた、ビーチサンダル履いて


シーサーが両脇で守ってる
ピンクの門から 外に出た



「こっち、畑」


マキちゃんの指差すほう
ざわざわ 音がする




――― 夜空


満点の星の下 すぐに雲
またそのすぐ下に


私たちより背の高い
サトウキビの 緑がそよぐ

その真ん中に 細く曲がった一本道




「おじーーー!」


マキちゃんは途中、急に立ち止まって
畑の中、おじいちゃんを呼んだ




「タァコ」


手をふりふり
麦わら帽子にタオルを首にかけた笑顔が
緑の葉の間から、ひょっこり顔を出した




「タカコ〜
海んかい行ちゅんぬか??」


「うん!」


「だぁなら、おじ〜も行ちゅん」




語尾あがる、話し方
おじいさんもなんか 嬉しそう




「音 すごいね…」


「うん〜…」




ざわざわ ぺたぺた
それを抜けた頃


どこからか、笑い声が聞こえて来た