一度目は、バレンタイン
その時もなんか いきなりだった…
「… 元気そうじゃん」
少し伸びた、サラサラの前髪…
狼みたいな
でもすぐにどこか、遠くをみてる目
左耳 ピアスしてる
ターコイズの石 一個だけ
背は私の頭が
胸んとこにある感じで
かなり履き込んだっぽいジーンズ
腰の辺りに 指かけてる
「…買い物してたの?」
「――― っえ?!」
「… それ」
「あ…!ふ、服とカバン買った!!」
「… 家出でもするのかと思った」
「なっ!!」
「… じゃあこれ、要らないか」
「え?」
「…この前の電話で
鞄欲しいって言ってたからさ」
左手
肩に回してた方を
私と自分の目の前に出した
金の…何か英字のロゴが入った
持ち手が紐の、紙バッグ
「…開けてみ」
「うわ…
ぶ、ブランド物じゃん!!!
――― それに…これ…」
「大学生になったら
そういうのも欲しいでしょ
封筒の方は、夏のライヴチケット」
「ほ…欲しいけど
い… いいの…っ?!」
「要らないなら誰かにやるけど」
「――― いるっっ!!!」


