Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜





「ありがとうございました!」


「武藤、ホントにここでいいの?」


「うん」


「じゃあまたね〜!
武藤!明日がんばってね!!」


「うん、おやすみ〜」


「おやすみ〜!」




家の近くの小さな駅


ファーストフードと
コンビニ以外は閉まってる


駅の前で、武藤は降りて
私とお父さんは、車で走り出した




「あ…電車走ってる〜…
着いた途端にとか信じらんない…」


「ははは、そんなもんだ
… あの子がバイト先で
一緒だって子か?」


「そそそ!
おなクラだった武藤で
紹介してくれたんだ」


「… 付き合ってるのか?」


「えっ?!?!ちが…っ!!」


「違うのか、イケメンなのに」


「… フツー父親って
娘と男子が一緒にいたら…

お父さんて〜
私と同じ、地味な顔してるくせに
そーゆーとこ変に理解ありじゃない?」


「だってお父さんもお母さんと
早く結婚したからなあ

ユカが結婚とかは別としても
その辺はまあ、仕方ないな〜と…」


「武藤とはそういうのと全然違うし〜」


「じゃあまだ
例の『彼』と付き合ってるのか」







「――― な…
なんで知ってんの…っ?!」


「お母さんが知ってる事は
たいていお父さんも知ってる」


「………」


「ヘソクリの場所も知ってるぞ?」


「えっ!!!
なら奪って二人で山分けしようよ!
私、沖縄行きたい!!」


「沖縄かあ…
暑いけど、いい所だよなあ…」


「え…何その追憶ぽい目
何でお父さんだけ行ってんの?!」


「高校の卒業旅行で行ったんだよ」


「お母さんと?!」


「いや、友達とな」


「なーんだ〜
吾郎おじさんとかか〜
違う女の人とだったら
お父さんの秘密握れたのに…」


「お父さんモテなかったもん
ああ、吾郎が今度また
羊肉送って来るって電話来たぞ」


「マジで?!
やったああああ!!」