Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜




「にしても”彼ら”売れてるよね〜
最近の一位って、アズか”Chea-Ruu
どっちかだもん」




試聴コーナーの所には
男子高校生たちが何人かいて


ちょうどそのバンドの曲を
かなり真面目な顔して
リズム取りながら聞いてる


…右の人がドラマーで
多分、真ん中の人はギターぽい




「さて!い〜お買い物したし
ちょっとお茶してから〜
マキちゃんとこ行こっか!

あ、なんか〜
差し入れ持ってった方がいいよね〜」


「――― あ」


自分のポケットから着うた


心臓 思いきり跳ねた




…な、なんの曲か
すぐわかったみたいで
男子高校生たちが、一斉に振り向いて


慌ててマナーにしようとしたら
思いきり切ってしまった




「う…うああっっ!!」


「誰?マキちゃん?」


「……… 」


「――… もしかして 」


「…はぃいいっ?!」




すぐにまた 同じ着うた


『焼肉』ってお母さんに
下から夕飯よばれるより早く
着信マークのボタンを押した