「にしても”彼ら”売れてるよね〜
最近の一位って、アズか”Chea-Ruu
どっちかだもん」
試聴コーナーの所には
男子高校生たちが何人かいて
ちょうどそのバンドの曲を
かなり真面目な顔して
リズム取りながら聞いてる
…右の人がドラマーで
多分、真ん中の人はギターぽい
「さて!い〜お買い物したし
ちょっとお茶してから〜
マキちゃんとこ行こっか!
あ、なんか〜
差し入れ持ってった方がいいよね〜」
「――― あ」
自分のポケットから着うた
心臓 思いきり跳ねた
…な、なんの曲か
すぐわかったみたいで
男子高校生たちが、一斉に振り向いて
慌ててマナーにしようとしたら
思いきり切ってしまった
「う…うああっっ!!」
「誰?マキちゃん?」
「……… 」
「――… もしかして 」
「…はぃいいっ?!」
すぐにまた 同じ着うた
『焼肉』ってお母さんに
下から夕飯よばれるより早く
着信マークのボタンを押した


