玄関を出た時、私は「ハルは今日一日どこにいたのかな?」とふと思った。
家からほとんど出た事のないルディとブルー。
家と外と縄張りをもっている雑種のハル。
私は少し気になったけど、それはブルーには話さなかった。
昨日のルディの「自由になった」という言葉を聞いて、私は二人を束縛していたのかな…という考えが生まれてしまった。
もしかしたらブルーも「不自由」に感じていたかもしれない。
ハルに対して、外に出る事を制限されている事に不満を持っていたかもしれない。
そう思うと、自分から話す気にならなかった。
でも、こうやって人間の身体で外に出ることで、少し何かを感じ取ってもらえればと、勝手に思って誘ってきた。
ブルーは特に感極まった様子もなく、夕暮れの空を見て「キレイだね」とつぶやいたり、「あれは何?」と指をさして、私に何度か質問をする程度だ。
駅前の飲食店が並ぶ所に着くと、2日連続でお世話になったファミレスが目に入る。
「さすがに3日連続はナイよね…」
私はブルーに違うものをすすめようと私は心の中でつぶやいた。
その時突然、背後から聞きなれた声が聞こえた。
「あれ?美子??」

