うちのおネコ様

私は途中手を止めて、時計を見た。

気がつけばもう12時をまわっている。もう昼の時間か。さっき朝ごはんを食べたような気がしたのに。家にいてこんなに動いていないのは久しぶりだった。
大抵休日や、こういった長期休みの時は私は昼過ぎまでガーガー(グーグー?)寝ている。そして12時を過ぎた頃、私はリビングへ行き、朝母が用意してくれた「ごはん」にありつくのだ。
その後は適当にお気に入りのチャリで近所の本屋やカフェなどに行って、時間をつぶし適当に帰ってくる。

午前中に起きて朝食の支度をし、食べて(食べさせて)洗濯物まで干した。これを毎日やっている母はなんてすごいんだろうと感心した。その上、自分も仕事へ行ってるなんて。
美子は改めて母に感謝し、そして自分のいい加減な生活態度を改めようと小さく誓った。


「お茶でもいれようかな~」

私はブルーに聞こえるようにわざと言葉にだして、キッチンへ向かった。ふいに彼の方の向いてみると、どうやら最後のアルバムまでたどり着いてる事がわかった。

私はそのまま声をかけず、冷蔵庫からアイスティーを取り出しグラスを2つとった。


母のお気に入りのアイスティーを注ぐと、氷がカランとなり、夏らしい音がした。
私は昨日スーパーで特売になっていたクッキーを空け、お皿に取り出してテーブルへ持っていった。いつもなら袋のまんま手をつけるのだが、今日はなんとなくこ洒落た感じに出してみる。


はいどうぞ!私が二人の真ん中にグラスと皿を置くと、ブルーは出された物を確認して、久しぶりに首を上げ、私に「ありがとう」と言った。それと同時に、最後のアルバムをパタンと閉じた・・・。