うちのおネコ様

つまりこういう事らしい。

猫の状態で、ある特定の人物に強い感情を抱いた。また人間にもその能力を察知できると判断された場合、彼らは人間の姿になる事を許される。
しかし、猫の頃の感覚、感情などが薄れる為、なぜ自分が人間になれたのかが正直あまり思い出せないという。

「それで、ルディは何を思ったの??」

お前、今の話聞いてたのか!?とルディは思いっきり目をまんまるくし、「ばかかお前はっ!!」と飼い主である美子に罵声をあびせた。

「それがわかんねぇって、思い出せねえんだよ。」

ルディはちょっと、不機嫌そうな顔をした。

美子はついうっかり、口が滑ってしまったんだと、すぐに謝った。


「ご、ごめんごめんね。」

自分の飼い猫にバカ呼ばわりされる日が来るなんて。

私は世も末だと実感した。

でも・・・

「でも、何でまた人間の姿になる事を許されるんだろう」

一体誰が。

ルディもさすがにそれはわからないと言った。

ある日突然、声が聞こえたと言う。

「っつーか、昨日ハルから何も聞かなかったのか?」

「えっ」